著者港千尋
出版社インスクリプト
刊行年2001
カバー
作品集
帯
一枚の写真のなかにおさまっているのはひとつの山だが、同じ山がほんの数分歩いただけでまったく違うかたちに姿を変えてしまう。今見ている山は瞬間の山に過ぎない。ひとつの山にすべての山のかたちを発見する、まなざしによるランドネが写真の面白さである。
写真とは一のなかに多を望むための希望の技術なのだ。いまある世界を唯一のかたちとして受け取るのではなく、そこに隠されている無数の未だ来たらないかたちを発見すること。時代の危機に人間が求められているのも同じことであろう。